会員通信 2009 Summer
2009年 夏号
- 2009年08月09日
真夏の総選挙で戦後初の政権交代という結果となりました。
そんな歴史的な夏の中、「会員通信・夏の号」をお届けします。
コラム
弁護士 古田 典子 東京共同法律事務所
東京共同法律事務所ニュース 2009 No.56より
佐渡へ来いっちゃ
小さい頃、毎年夏休み、必ず佐渡の祖父母宅に遊びに行き、海で泳いだ。祖父は若い時期、東京でタクシーの運転手をしていた。(祖母は髪結いさんだった。)が、空襲が激しくなる前に出身地の佐渡に一家で引き揚げ、以後、亡くなるまで佐渡で暮らした。
佐渡に行ったことのある人には必ず「大きい島なんですねえ」と驚かれる。本当に大きいのだ。沖縄本島に次ぐ大きさで、広さは東京23区の約1.4倍あり、人口は約6万4000人。S字形を描く島の北部と南部にはかなり険しい山があり、その間に平野があり、米も穫れ、トキが生息する豊かな自然がある。また、順徳天皇、世阿弥、日蓮が流された土地であり、能、鬼太鼓などの伝統文化が盛んな地である。もちろん海はきれいだし、魚、イカ、カキも美味しい。
夏に行くのなら、特に金山がお勧めである。佐渡金山の坑道は総距離で400キロメートルもあるそうだが、約300メートルほどが観光ルートとされており、自分の足で歩いて坑道を回ることができる。坑内労働者の人形が採掘作業を再現していて、見て楽しいし、坑内はひんやりとして寒いほどである。2008年9月には文化庁の世界文化遺産暫定リストに入っている。
子ども時代には温泉の楽しみがわからなかったが、温泉もあるそうだ。佐渡の海は、南の島とは違う、日本海の深い色の美しさであり、佐渡の北側海岸線(外海府)は特に景観に恵まれている。金山、魚・イカ、日本海の美しさプラス温泉。
新潟港から高速船で1時間です。大きい島なので、できればゆったりした日程が望ましいですが、夏は佐渡に来いっちゃ(佐渡弁)。
弁護士 雪竹 奈緒 旬報法律事務所
旬報法律事務所 JUNPOH 2009 SUMMER・「夏季号」<VOL.47>より
歴女の旅
最近、歴史好きな女性「歴女」が増えているそうですが、何を隠そう、私は20年前から、筋金入りの「歴女」です。特に戦国時代の歴史が好きで、出張や旅行のたびに、各地の城や歴史的建造物等を訪れるのが趣味のひとつです。
今年2月、滋賀県に出張した時には井伊氏の城・彦根城に行き、大ブームのゆるキャラ「ひこにゃん」にも会ってきました(写真)。この春に関西に行ったときには、東大阪に足を伸ばして、憧れの司馬遼太郎記念館に行ってきました。次の出張では、どんな城に行き、どんな歴史に触れることが出来るか、今から楽しみです。
お薦め本 From the reader in the wood
弁護士 井上 幸夫 東京法律事務所
「労働法はぼくらの味方!」 弁護士 笹山 尚人 著 / 岩波ジュニア新書
当事務所の笹山尚人弁護士は、私と共著の「フリーターの法律相談室」(平凡社新書)の後に出した「人が壊れてゆく職場」(光文社新書)で注目されたが、今回の著書は「さらに素晴らしい」の一言に尽きる。
ハンバーガーショップでアルバイトを始めた高校生の真吾君、そのお姉さんで派遣社員の頼子さん、そして真吾君のアルバイト先で店長をしている高野さん(頼子さんの彼氏)が、それぞれの職場で起こった出来事について、伯父さんの佐々木尚平弁護士に相談するという物語である。
「アルバイトの悩み」、「労働法ってなんだろう」、「パート・アルバイトの働き方」、「正社員の働き方」、「派遣社員の働き方」、「労働法の活用方法」、 「おじさんからの手紙」と話が展開するのであるが、小説風なので読みやすく、非常にわかりやすい。といっても、労働法の条文も入った本格的な内容である。労働組合の話も出てくる。
笹山さんは、「あとがき」で、生きた労働法をこれから働くことになる子どもたちに伝えたいという想いを叶えるためにこの本を作ることになり、構想・執筆しているときには常に甥や息子(2歳の穣君)の姿が念頭にあったと書いている。そして、笹山さんのバイブルの一つである「君達はどう生きるか」(吉野源三郎著)に着想を得て、真吾君たちが尚平おじさんに相談するスタイルで筆を進めることにしたという。
この本は、岩波ジュニア新書ではあるが、これから働く子どものためだけの本ではなく、現在働いているすべての人のための本であると私は思う。会員通信の読者のみなさんも、ご自分のため、また、お子さんやお孫さんへのプレゼントとして、この本をお求めいただければ幸いです。
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