会員通信 2005 Winter
2005年 冬号

  • 2005年01月14日


昨年に続き暖冬かと思われた今年でしたが、
もう結構ですと言いたいぐらい日本列島が冷えております。
各地から大雪の便りが届く中、「会員通信・冬の号」をお届けします。

2005年 会員の事務所便り新年号より

埼玉総合法律事務所

新春のお喜びをもうしあげます

ちょっと立ち止まって周囲に目を向けて・・・

ゆとりある生活を目指してOA化を進めてみると、その処理能力の向上が新たな仕事を生むと共にめまぐるしい情報流通の渦の中に巻き込まれていきます。結局はさらにゆとりを失う結果をもたらし、時のスピードの速さにため息をもらすばかり……。

しかしこうやってあわただしさの中に身を浸して目前のことのみに心を奪われていると、いつのまにか周囲で進んでいることが見えなくなってくることがあります。

いまや日本の軍隊が海外で活動するようになり、国内の治安も悪化するばかり。世界の平和を訴えた憲法までもがかえられようとしています。人々の多くが忙しさに身をゆだね、自身の意見を持てずに時を過ごすと、いつのまにか勢いのある強気の発言のみがまかり通ることにもなりかねません。個人の尊厳に根拠をおく少数意見が「わがまま」などとして切り捨てられるのもこういう時です。 忙しい中でも、できる限りのゆとりをみつけ、ちょっとだけ立ち止まって周囲の出来事に目を向けた話をしてみる、そんな1年にしてみませんか。

埼玉総合法律事務所
運営委員長 牧野 丘

旬報法律事務所

終戦60周年を迎えて

終戦から30年後、戦後世代の親から生まれた私にとって「戦争」は過去の歴史に過ぎませんでした。戦時中の話の悲惨さに涙することはあっても、それが悲惨であればあるほど、かえって自分からは程遠いもの、自分の身には起こりえないものとしか思えませんでした。

その平和が今、現実に危機に瀕しています。憲法、教育基本法を改正して日本を「戦争する国」へと作り変える動きが具体化してきています。

平和とは、戦争のない穏やかな世の中であること。戦争とは、国家により人が人を殺すことを強制されることであり、その強制がある以上、たとえ国内で「戦争」をしてなくても、平和であるとはいえません。武力行使を許された自衛隊の海外派兵により、もう日本の平和は壊されかけているといっても過言ではないのです。

終戦60周年、私たちの世代が「平和」を当然のこととして生きてくることの出来た幸せを、今後生まれてくるすべての子供たちに引き継ぐために、何をすればよいのか、改めて考えてみませんか。

弁護士 雪竹 奈緒

名城法律事務所

Rainbow Fall in Hawaii
撮影 弁護士 正木 健司

謹賀新年

2005年、明けましておめでとうございます。

2004年には、新たに57期の稲熊弁護士も加入し、当事務所も弁護士7名、外国法事務弁護士1名(中国律師)、事務局員17名(うち税理部門4名)の中規模事務所となりました。

本年は、協力団体であるNPO法人「きづなの会」とともに、東京や愛知県内に支所を設置すべく計画しております。

また、本年はようやく軌道に乗り始めた中国ビジネスロー部門をより強化するとともに、国内の法務・税務についても人的・物的に充実させ、より迅速かつ的確なサービスの提供ができるよう所員一同邁進する所存で降ります。

本年も、変わらぬご支援・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

二〇〇五年 元旦
名城法律事務所 所員一同

トアロード法律事務所

2005年を迎えました。本年もよろしくお願い申し上げます。皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

昨年、中越地震や台風の被害が発生しました。被災建物の修理費や立替費を国は「個人補償」だとして支給しませんでした。確かに、自由主義では、各自の公正な自由主義で、資産を形成するのが原則です。しかし、病気や貧困で、自助努力が出来ない人に、「最低限度の生活」を保障するのが、憲法25条です。

被災者は資産形成にために補修費等を必要としているのではありません。被災者が公正な自由競争のスタートラインに立つために、国には補修費・立替費を支給する責務があるのではないでしょうか。

弁護士 永井 幸寿

東京中央法律事務所

明けましておめでとうございます。

昨年は夏の猛暑に引き続き、相次ぐ台風の上陸、秋に入ってからは新潟中越大地震と、例年にない異常気象と激しい自然災害に見舞われた1年でしたが、皆様に置かれましては恙なく新年をお迎えのことと拝察いたします。

ところで今年は、2期目に入ったブッシュ政権がイラク各地での軍事行動をますます激化させ、イラク全土を泥沼の混乱状態に陥れています。これに対しては国連の事務総長も主要諸国の政府もこぞってアメリカの軍事介入の非道を指弾し、その中止を求めていますが、わが国の小泉首相だけは手放しの支持を表明し、自衛隊の派遣を続けております。

今年こそは私どもも一層声を大きくして、イラクから米軍や自衛隊を撤退させ、平和な地球を取り戻したいものと念願しております。皆様のご多幸をお祈りしつつ。

弁護士 新井 章

中村久瑠美法律事務所

謹賀新年

日常の何気無い静物の絵ですが、的確な描写によるしっかりとしたフォルムと明快な色彩が平和と安定の尊さを教えてくれています。理知的な奈河に温かなぬくもりが伝わってきますよね。(挿入画:ポール・セザンヌ「カーテンと静物」1893-1906)

セザンヌは現代絵画の父ともいわれ、二十世紀絵画の基礎を築いた人です。

昨年は異常気象、台風、地震と自然の災害に日本列島は苦しめられました。

二十世紀になって早五年というのに、世界はテロとの戦いに相変わらず緊張しています。

今年こそ天災やテロの恐怖から逃れ、豊かで心安らかな美しい年でありますように。

本年もよろしくお願い致します。

二〇〇五年 元旦
弁護士 中村久瑠美

お薦め本 From the reader in the wood

さいたま総合法律事務所 弁護士 齋田 求

「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 アレン・ネルソン 著 /講談社 刊

18歳で海兵隊に入隊し、ベトナムで戦った一人のアメリカ兵がいる。彼の名はネルソン。彼は優秀な兵士で、数多くのベトナム人を殺し、ベトナムのジャングルから生還した。4つの勲章を与えられた。しかし、その後、毎夜悪夢にうなされ、23歳でホームレスとなる。

ある日、彼は教師となった高校の同級生と出会い、小学生の子供たちにベトナム戦争の話をすることになる。

彼は、ベトナム戦争で何万人ものアメリカ兵が死んだこと、それより多いベトナム人が死んだこと、それには女性や子供も含まれていることなどを語ったが、子供たちへの影響を考え、自分がしたことは一切語らなかった。

話が終わった後、子供たちからの質問があったが、最後に、一番前の列に座っていた小柄な女の子が手をあげた。
「ネルソンさん。あなたは、人を殺しましたか?」

運命的な質問であった。彼は一言も言葉を発することができなくなり、目をつむってしまった。葛藤の末、彼はやっとのことで、「イエス」と答えるが、人殺しの自分に向けられる視線が怖くなり目を開けられなくなってしまった。
そのとき、誰かの手が彼の体に触れた。質問をした女の子であった。その子は、彼を抱きしめ、瞳にいっぱい涙をためて言った。「かわいそうなネルソンさん」

それを機に教室の子供たちは彼を囲み、彼の中で何かが溶け出した。その後、彼はホームレスを脱却し、戦争体験の語り部となる。

上記のような話を聞き、早速、購入、一気に読んだ。
最近読んだおすすめの一冊です。

コラム

旬報法律事務所 弁護士 野澤 裕昭

東京の中心で幻の銘酒と出会う

今年3月、妻の父母の出身地である鹿児島に東京にいる一族郎党(合計11人)で帰省しました。妻は双子の姉妹でそれぞれの配偶者の実家に子供を連れて規制したことはあっても鹿児島への帰省は初めてでした。
鹿児島は、南国で温暖なことはもちろん鹿児島人も熱い人が多い。特に、義母方の親族は大勢で迎えてくれ、酒席では入り乱れて手を握り合ったり、踊ったりにぎやかでした。

指宿の白水館に泊まったときのこと。白水館は砂風呂で有名で指宿の名旅館として知られています。そこで、夕食で三種類のオンザロックの焼酎をお盆に載せ賞味させてもらいました。どれも宿泊客にしか出さず、お土産に販売することはしないという銘酒。三杯飲み比べましたが、中でもモリイゾウという焼酎は香り、味ともとても焼酎とは思えない甘美な味で最高に美味しかった。

帰京して鹿児島の親戚を通じて何とか手に入れられないかとお願いしたのですが、酒屋の親戚でもどうしても手に入らないとの返事。やはり、幻の銘酒だけのことはあると落胆していたら、何と赤坂の酒屋さんの事件で打ち合わせ後招待された飲み屋にモリイゾウとは「森伊蔵」という人の名前だったということが分った。しかも、そこには、森伊蔵だけでなく佐藤、伊佐美、魔王など銘酒といわれる焼酎が一升ビン瓶でずらりと並んでいました。まさか、こんな所で出会うとは思わなかったので、感激仕切りでした。その店の名前は…。止めておきます。なくなると困るので。

埼玉総合法律事務所 弁護士 野本 夏生

「ストップ!八ッ場ダム」

八ッ場(ヤンバ)ダムと聞いて、アぁアノダムのことねとピンとくるのは、温泉マニアか、そうでなければ環境問題・ダム問題に相当な関心を持っている方だと思う。昨夏からこのダムの建設をストップさせる運動に関わるようになったのだが、かくいう私自身、恥ずかしいことにその時まで八ッ場のことは何も知らなかった。

群馬と長野の県境にある鳥居峠から流れ出し、渋川市の近くで利根川と合流をする吾妻川の中流、吾妻郡長野原町で建設が計画されているのが八ッ場ダム。このダムが完成をすると、源頼朝が見つけたという言い伝えも残る川原湯温泉はダム湖の底に沈み、関東の耶馬渓とも呼ばれる紅葉の名所吾妻峡も大きく姿を変えることになる。

自然破壊だけが問題なのではない。このダムに関わる総事業費は約4600億円。このうち、埼玉県は利水・治水負担金として合計569億円を支出することになっている。水没地域の生活・産業基盤の整備費用への負担や起債利息もあわせると、全体の事業費は何と8800億円(!)、埼玉県の負担総額は1200億円、気が遠くなる数字である。

どうしても必要なダムだというのであれば税金を使うことも我慢しよう。でも、八ッ場ダムの場合、洪水対策にはさしたる効果がないことが既に明らかになっているし、計画の前提になっている水需要予測は科学的根拠に乏しい。無駄な公共事業の象徴のようなダムなのである。

ストップ八ッ場ダム!これが今年の私のスローガンである。


!募集!

会員の皆様からの投稿を募集しています。
写真、エッセイ、論文、小説等々、本会員通信で表現できるものなら何でも結構です。
取扱代理店 株式会社 宏栄

編集部より

昨年の1月は、生命探査機の火星着陸が話題になっていましたが、今年は土星の衛星タイタンの写真が公表されました。タイタンではメタンの川や氷やアンモニアの火山活動が行われているとの事。地球からの距離が12億Km、地球の直径が約1万2千Kmですから地球を1万個並べた距離。・・・?タイタンの写真を見ながら考えても、さっぱり実感が湧きません。
宇宙だけでなく、中越地震や年末のスマトラ沖地震・津波といい、地球上でもつくづく自然界の中の人間の小ささを感じる事ばかりです。イラク問題、北朝鮮問題など、せめて人間の中だけで解決できることぐらいは何とかしたいものです。

今年も会員通信をよろしくお願いいたします。

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