会員通信 2004 Summer
2004年 夏号

  • 2004年08月15日


いつの間にかの梅雨明け宣言。
猛暑の中、「会員通信・夏の号」をお届けします。

旬報法律事務所 創立50周年!

The News JUNPOHより

歴史の狭間で

50年誌の発刊と記念レセプションを終えて1ヶ月余、改めて歴史の重みを実感している。帝国ホテル孔雀の間に溢れんばかりに集まってくださった約1,300人の方々と、そして当日はご出席して戴けなかったもっともっと多くの方々が、先輩や旧・現役員と一緒になって、旬報法律事務所の歴史の一齣一齣を築いてくださったのだ。故人となってしまわれた方々も多い。万感胸に迫る。労働者の権利擁護や軍事基地反対の旗を掲げてわが事務所が誕生したことや、これを引き継いだ所員が、それぞれの時代の様々な課題に取り組んできた意気込みや苦労話を、しかし爽やかに年誌は語っている。50年を経た今日、働く人々はリストラという名の首切りの不安にさらされ、自衛隊はイラクへ出動している。この間、歴史は動かなかったというのか。ある来賓は「100周年をめざして欲しい」と祝辞を結ばれた。実行委員長は「我が事務所は不滅」と決意表明。皆さんと一緒に。未来に向けて歴史の歯車を回転させましょう。

弁護士 仲田 晋
旬報法律事務所
  • 弁護士 久保田昭夫
  • 弁護士 岡田克彦
  • 弁護士 徳住賢治
  • 弁護士 大熊政一
  • 弁護士 野澤裕昭
  • 弁護士 山内一浩
  • 弁護士 棗 一郎
  • 弁護士 森 真子
  • 弁護士 雪竹奈緒
  • 事務局員一同
  • 弁護士 仲田 晋
  • 弁護士 清水洋二
  • 弁護士 島田修一
  • 弁護士 鴨田哲郎
  • 弁護士 宮坂 浩
  • 弁護士 今村 核
  • 弁護士 今村幸次郎
  • 弁護士 圷由美子
  • 弁護士 佐々木亮

◆クローズアップ旬報法律事務所◆

1954.5 労働旬報法律事務所の誕生
1954.6 ほとんどが民間労組事件
1955.5 砂川基地闘争
1956  労働争議・公害薬害訴訟等で所員が大奮闘
1957.2 品川製作所争議妥結
1960.4 全金成光電機争議妥結
1960.11 三井三池争議妥結
1961.11 全金目黒製作所争議妥結
1966.10 全逓東京中郵事件最高裁判決
1971.6 イタイイタイ病公害事件一審判決
1972  スモン(キノホルム薬害)訴訟
1973.4 事務所移転と事務所名変更
1976.10 全金日特金属整理解雇事件和解
1978.8 スモン訴訟勝利判決(東京地裁)
1979.7 大日本塗料争議全面勝利和解
1979.7 スモン訴訟勝利判決(静岡地裁)
1985.4 全金日産自動車残業差別事件判決
1986.7 事務所ニュース「JUNPOH」創刊
1986.8 牛久・龍ヶ崎地盤凝固剤公害事件和解
1986.11 スモン訴訟全面解決
1987.3 沖電気争議全面解決
1987.5 全金日産自動車組合事務所差別事件判決
1992.12 潜水艦なだしお事件で勝利判決
1995 旬報法律セミナーを実施
1996.5 薬害エイズ訴訟勝利和解
1996.12 富士見高原ゴルフ場住民訴訟
2000.4 日立製作所賃金差別事件勝利和解
2002.3 薬害ヤコブ病勝利和解
2003.11 ソフトボール大会初優勝
2004.5 事務所創立50周年記念レセプション開催

The News JUNPOHより

新事務所開設

輪島ひまわり基金法律事務所

輪島ひまわり基金法律事務所開設

当事務所にて4年間活動して参りました平良卓也弁護士が、本年3月より輪島ひまわり基金法律事務所で業務をおこなうこととなりました。平良弁護士は、弁護士過疎の解消のため、遠く輪島市(石川県)にて数年間活動する予定ですが、これまでの法律家としての経験を生かし、奥能登地域住民の方々の期待に十二分にこたえてくれるものと確信しております。今後とも、ご支援賜りますようにお願い申し上げます。

平成16年3月吉日
名城法律事務所

弁護士という仕事

弁護士になって思うことは、世の中にはこんなにも悪い連中が多いのかということ。報道を見聞きするだけでなく実際に被害者の方の話を聞くとその実感も湧いてくる。 多重債務者を窮地に追い込むヤミ金融、高齢者から老後の生活資金を根こそぎ奪ってしまう悪徳先物業者、その実体がない投資勧誘で全国から億単位の金を集め破綻する業者。騙されたと分っても、相手にめぼしい財産がない、自己責任の名目で落ち度を指摘される等の理由で被害全部の回復はかなわない場合の方が多い。全く返ってこない場合も珍しくない。そういう時は無力感でいっぱいになる。社会をかえるとまではいかないまでも、全ての人が安心して生活できるような社会となるよう少しでも力になれたらと思います。


弁護士  平良 卓也
輪島ひまわり基金法律事務所

インタビュー

東京法律事務所「たより」より抜粋

早稲田大学大学院法務研究科教授 弁護士 井上 幸夫 東京法律事務所

ロースクールがスタート! —新しい法曹の養成に向けて—


新しい法曹育成制度の中心となる法科大学院が今年4月にスタートし、
井上幸夫弁護士が早稲田大学の法科大学院教授に就任しました。

 

Q. 弁護士や裁判官を養成する方法がどのようにかわるのですか。
A. これまでの制度では、司法試験に合格した後、一年半の研修(司法修習)を終了した人が弁護士・裁判官・検察官になっていました。
新しい制度では、法科大学院を卒業した人だけが新司法試験を受験できることになり、新司法試験に合格した人が1年の司法修習を経て法曹になります。これまで千人程度だった司法試験の合格者は2010年には三千人程度まで増やすことになっています。
法曹の数を増やすとともに、あるべき法曹の質を確保するために、司法試験という「点」による選抜から、法科大学院という「プロセス」による法曹養成への転換を図ろうとしているのです。

Q.弁護士や裁判官を養成する方法がどのようにかわるのですか。
A.法学部やこれまでの法律学の大学院(法学研究科)と違い、法科大学院(正式名称は大学院法務研究科)は、法曹養成専門の教育を行うプロフェッショナル・スクールと位置づけられています。
目指してている理念として「理論と実務を架橋する(つなぐ)教育」、「少人数で双方向・多方向の教育」がうたられています。三年間の教育をうけることとされていますが、法律学の基礎を既に習得している人は二年間で修了できます。
新たにスタートした法科大学院には、法学部卒業生だけでなく、多くの他学部卒業者や社会人も入学しています。

Q.法科大学院で、学生はどのようなことを学ぶのでしょうか。
A.教育科目は大きく次の4つに分けられます。
法律基本科目(憲法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法)
実務基礎科目(法曹倫理、法情報調査、民事訴訟実務の基礎、刑事訴訟実務の基礎など)
基礎法学・隣接科目(法哲学、外国法など)
展開・先端科目(労働法、知的財産権法、環境法、国際取引法、国際人権法など多数)

Q.法科大学院で、学生はどのようなことを学ぶのでしょうか。
A.法科大学院の教員は、これまでの法学部の教員である「研究者(学者)教員」と弁護士などの「実務家教員」によって構成されています。
私は、これまでの弁護士業務の経験を生かして、「労働訴訟実務の基礎」、「労使紛争と法」、「リーガルクリニック(労働)」と「民事訴訟実務の基礎」を担当する予定です。リーガルクリニックとは、臨床法学教育といわれるもので、法律相談や事件処理の実際を学ぶという教育です。

Q.弁護士として仕事はもちろん続けるのですね。
A.私の教員の任期は三年間ですが、教員をしながら弁護士業務を行います。
法科大学院の教員という全く新しい分野ですが、人権と民主主義の実現を目指して市民・労働者の権利のために働く法律家が多く生まれるよう微力ながら力を尽くしたいと思います。

コラム

東京北法律事務所ニュースより

名主の滝公園

名主の滝公園は、江戸時代の安政年間に王子村の名主が開いた庭園が発祥となっており、「名主の滝」の名前の由来もここから来ました。近世末期になると、庶民にも解放され、将軍が鷹狩のついでに立ち寄って休息するなど、次第にその名が 広く知れ渡るようになりました。
江戸百景の庭園として整備されたのは垣内徳三郎という人の所有になってからで、この人の好みにより、箱根の景色などを取り入れた本格的な回遊式庭園になりました。滝の水をポンプで汲み上げ水量を豊富にしたり、ヤマモミジを植えたり、いくつも亭を設けたりと、及ぶ限りの贅を尽くしたようです。
うっそうと茂る木々に覆われたこの公園で、柔らかくこぼれてくる木漏れ日に目を細め、水の滝つぼに流れ落ちる音に耳を傾けながら、その穏やかな気分に浸る時、緑のある喜びを感じます。


!募集!

会員の皆様からの投稿を募集しています。
写真、エッセイ、論文、小説等々、本会員通信で表現できるものなら何でも結構です。
取扱代理店 株式会社 宏栄

編集部より

空梅雨騒ぎの中で新潟の集中豪雨など今年の夏も異常気象です。たとえ猛暑の予想のシーズンでも、働く人には息抜きが必要です。大いにサマーバケーションをエンジョイしてください。楽しいお土産話、次号への投稿お待ちしております。

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